90代の女性のお客さまのお爪をケアしました。耳が不自由で娘さんと一緒に携帯で筆談しながらのご対応です。過去に爪が皮膚に食い込み炎症を起こしたことがあり、とても不安を感じていらっしゃいました。
今回は膀胱炎の症状があるとのことで、『できるだけ短い時間で』とのご要望。電動のやすりで爪を薄くし、専用の爪切りで形を整えました。痛みが出やすい部分には綿を入れて負担を和らげ、最後に保湿。30分で終了し、笑顔で『今日は早く終わってよかった』とおっしゃっていただきました
はじめに
訪問フットケア「あしよし」では、ご自宅や施設に伺い、爪のお悩みに合わせたケアを行っています。
今回は、90代女性のお客さまに行った巻き爪・肥厚爪ケアの事例をご紹介します。
ご本人とご家族の状況
お客さまは90代女性。耳が不自由で難聴のため、毎回娘さんが同席してくださり、携帯を使って筆談でご要望を伝えてくださいます。
認知症はなく、ご自身の要望もしっかり伝えてくださいます。
過去には右足が陥入爪になり、炎症を起こした経験があり、それ以来「爪のケア」に不安を抱えていらっしゃいました。
定期訪問の流れ
訪問は4〜6週に1回のペースで、今回で3回目のケアでした。
娘さんからは「今後もずっと続けて欲しい」とのご希望をいただいています。
昨日は膀胱炎の症状があり、「できれば短時間でお願いしたい」とのご要望でした。
このお客様は巻き爪、かつ肥厚爪があること、難聴でご説明しながらのケアは娘さんの携帯での通訳が必要なことがあり、初回、2回目はケア時間は40分くらい、足洗浄や保湿ケアも含めると60分くらいになっていました。
*陥入爪の経験がある巻き爪の方は、爪の角のケアを丁寧に行う必要があり、爪の厚みを削る、爪溝をきれいにする、爪の角のカットするという工程を慎重に行うため、時間がかかってしまいます
初回と今回の違い
初回のケア(60分)
- 巻き爪と肥厚爪が強く、不安も大きかった
- 痛みも感じやすく、削ったあとは足浴で洗浄
- じっくり60分かけて実施
今回のケア(30分)
- 「最小限で短時間に」とのご希望
- 水スプレーで爪を湿らせ、不織布で拭き取り
- ゾンデで爪周囲の角質を丁寧に除去(爪の圧迫要因)
- 変色していた親指の爪をグラインダーで薄く削り、ニッパーで長さを調整
- 巻き爪部分はコーナーニッパーで切り、痛みのある右足爪角にはコットンパッキングを実施
- 最後に保湿ケアを行い、30分で終了
ケアを受けたご本人のご様子

膀胱炎の症状も辛いから、今日は最低限のケアでいいから短い時間でやってください

わかりました。お辛いですね。今日は、爪はきれいになってきたので、巻き爪の予防と爪の長さを切りましょう
ケアの実際
ケア前

ケア後

ケアの実際
- ポジショニング 足台とクッション
- 道具を手順にそって広げる
・シート
・ゴミ袋
・トレイにニッパー ゾンデ グラインダー ビット
・消毒シート
・角質軟化剤
・集塵機
・水スプレー 不織布 - 拭き取り、水をかけて 角質軟化剤を爪に噴霧
- ゾンデで爪の状況 爪下、角の確認
- 爪甲下 角質除去
- グラインダーで爪の表面を削る
- 爪の長さを切る
- 爪の角を切る
- ヤスリで整える
- コットンパッキンをする
コットンパッキン
コットンを細く細くこより状にして、ストレスポイントに入れ込んで、爪に角を上げます
これをしておくと、痛みが予防できます。コットンは外れたらそのまま、外れなければ入れておいていいです

今後も定期ケアを通じて、安心して過ごしていただけるようサポートしていきます。

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