高齢者ご自宅訪問 爪切りのご依頼

あしよし お客様

認知症を患っているお客さま。同居されている息子さん夫婦からご依頼。

息子さん

「家族で足の爪を切ろうとしたけど、硬くてきれなかったんです」

「介護保険もそろそろ申請しようと思っていますが、まずは爪を切って欲しいんです。」

と介護サービスも受けていない方でした。自費で行う爪切りサービスの希望。

長年切っていない爪のケアで訪問

利用者
利用者

しばらく爪は切っていないよ。別に困らないよ。硬くて、爪切りじゃきれないよ

あしよし<br><br><br>
あしよし


今日は爪を切らせていただくために伺いました。

切ってもいいですか

ケア実施前 右足
ケア実施前 左足

息子さんは事前に私が来ることを説明してくれていました。

「家に来て、爪を切ってくれる看護師さんがくるよ」と話してくれていましたが伺うと、軽く拒否をされました。

元々、酒屋さんでお客さんを相手に商売をしていた方で、穏やかに私のことも気を使いながら拒否するお返事でした。

訪問爪切りサービス「そんな仕事があるんだな」

利用者
利用者

爪、切ってくれるのかい。そんな仕事があるんだね。じゃ、お願いしようか。大変だね。

爪、硬いよ。しばらく切っていないから。できるのかい?

あしよし
あしよし

はい。ありがとうございます。ご依頼いただき、ありがたいんです。看護師をしながら、爪切りに困っている方のご自宅に伺う仕事を始めました。

よろしくお願いします。

私からお願いすると、部屋の椅子に座ってくれました。

3階にあるお部屋は綺麗に整頓されていて、窓を開けていると、いい風が入り、静かで外の景色が見えるところで行いました。

このお客さまは、酒屋さんの商売をしていた方で、酒屋さんがする ”まえかけ” をしています。

椅子に座り、自分から靴下を脱いで「では、お願いするよ」と準備をしてくれました。

「人に世話になりたくないんだよ」

あしよし
あしよし

おつらい症状はないですか?

利用者
利用者

もう、何をするのも嫌だね。つらい、とかはないけどね。もう、何もしないよ。

迷惑かけちゃいけないからね。人に世話になりたくないんだよ

部屋の中では、杖も使わず、移動も安定している方で、トイレ、着替えも自分でやっているそうです。

短期記憶障害があり、同じことを繰り返して話すそうですが、難聴もなくお話をすることはスムーズでした。

糖尿病があり、インスリン注射をしていると事前に聞いていましたが、ご本人は「病気はないよ」「薬も飲んでいないよ」と返答されていました。

ご家族からはインスリン注射は渡せば、自分で打つこができている、と教えてくれました。できることは自分でやっている、という印象です。

「風呂に入ると、心臓がドキドキして。倒れたら家族に悪いから」

利用者
利用者

風呂に入ると、ドキドキしちゃって。入って、倒れたら迷惑かけちゃうでしょ。だから入らない

あしよし
あしよし

そうだったんですね。でも足の皮膚の皮が乾燥して、古い皮膚がついたままになっている状態ですね。爪も切るのに、少し、足を綺麗にしてからやりましょうか。

利用者
利用者

まあ 困っていないけど。やってもいいよ

あしよし
あしよし

ありがとうございます

手順
・シャボン足浴
・スクラブマッサージ+温タオル清拭
・洗浄消毒(弱アルカリ性水溶液:スキンフローラプロ)
・爪周囲角質除去(ゾンデ)
・爪切り    (ニッパー+グラインダー)
・やすり
・スクラブ洗浄+温タオル清拭
・保水液
・保湿クリーム
*スキンフローラプロは、PEDY +商品でPH調整剤不使用の弱アルカリ性水溶液。除菌、消臭効果とともに角質軟化液
ケア実施後、左足 まだまだ、角質がとりきれなかったですが、爪は短くきりました
ケア実施後、右足。こちらもまだ角質は残っていますが、爪は切りました

人に足を見せることが嫌な気持ちにならないために

足のケアをする際、「人に足を見せることの恥ずかしさ」があると思います。

手や顔と違って、見せる準備をしていない部分で、見せる前に汚れを取ることもできず、不意に人に見せることになるからです。

ケアをする上で大切なこと

  • 足の病気・けがの予防のために爪を切ることが必要と伝えること
  • 足を見た時にお客さまが嫌な気持ちになるようなことは言わないこと
  • この人なら足を見せてもいいな、と安心してもらうこと

爪の感染症と糖尿病

このお客さまは糖尿病を持ち、インスリン注射や内服薬でコントロールしている方でした。

訪問足ケアサービスは、自費のサービスになりますので、糖尿病治療については詳しく聞かなかったのですが、糖尿病の方は感染しやすく、傷が治りにくい特徴があります。

足を見る限り、爪白癬があり、古い角質により保清・保湿ができておらず、皮膚のバリア機能が落ちている状態です。

伸びた爪が割れたり、剥がれたり、隣のゆびにささってしまうことで、傷ができる可能性もあります。

在宅サービスの介入がまだできていない方でしたが、今後も「足を守る」サポートができたらいいと思います。

訪問足ケアサービス 「あしよし」よりお客さまへ 

あしよし
あしよし

こちらの方は、かかりつけの糖尿病クリニック(徳永内科クリニック)からのご紹介で連絡をいただきました。

自費サービスのため、医療保険の1割〜2割の方々には、高額なイメージがあるかと思います。しかし、どこへ行っていいかわからない、足の爪なんて切って欲しいって医者では言えない。家族にも頼めない。

困っている方がいます。ぜひ、困った時は、ご連絡ください

〜訪問足ケアサービス「あしよし」施術者紹介〜

私は糖尿病看護認定看護師、という糖尿病療養指導を専門に学んできた資格を持っています。普段は、糖尿病専門クリニックで勤務しながら、訪問フットケアを行っています。

訪問日は、日曜、月曜、火曜 完全予約制で行います。

足のケアができない方、ご連絡をお待ちしています

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