在宅高齢者の症例から考える「現場で本当に必要なフットケア」
訪問のきっかけ
ショートステイ先の介護福祉士の方から、
「爪が切れずに困っている利用者がいる」とご相談を受け、訪問しました。
ご本人は80代女性。
独居で生活されてきましたが、足腰の不安からショートステイを利用中でした。
ご家族はいらっしゃらず、ご本人の同意を得たうえでの訪問でした。
3年以上放置されていた足の状態
実際に足を拝見すると、少なくとも3年以上、爪が切られていない状態でした。
爪と足の状態
- 全ての爪が肥厚し、強く湾曲
- 爪は指の裏側まで伸びている
- 外反母趾により、第2趾が屈曲・浮き指状態
- 靴に当たる部位に発赤あり
医療的なリスク
さらに、この方には糖尿病がありました。
糖尿病がある方は、小さな傷や靴ずれから感染を起こし、足病変へ進行するリスクが高くなります。
「今は歩けている」
しかし、放置すべき足ではないと判断しました。
ケア前に必ず行った説明と確認
訪問足ケアは自費サービスです。
そのため、ケア開始前に以下を丁寧に説明しました。
- 医療行為・治療は行えないこと
- 炎症や感染が疑われる場合は中止すること
- 記録・学びの目的で写真を使用する可能性
- ケア内容・所要時間・費用
ご本人の理解と同意を得たうえで、ケアを開始しました。
「切る」前に整えるという判断
爪の厚みは非常に強く、
親指では約3cm近くまで肥厚していました。
いきなり切らない理由
この状態でいきなりニッパーを使用すると、
痛みやトラブルにつながる可能性があります。
そのため、
- グラインダーで爪表面の厚みを調整
- 皮膚に触れないよう、根元から慎重に削る
- 爪下の角質は軟化剤で柔らかくする
といった工程を踏みました。
高齢者のフットケアでは、
安全性・痛みの最小化・時間配慮このバランスが非常に重要です。
1回のケアで、できるところまで行う理由
フットケアには
「今日はここまで」と段階的に行う考え方もあります。
一方で私は、
今この時点での苦痛を、できるだけ軽減することを大切にしています。
実際に行ったケア内容
- 爪の厚みと長さの調整
- 爪周囲の角質ケア
- 足浴・洗浄
- 保湿とマッサージ
ご本人の言葉

足が軽くなった!
もっと早く言えばよかった
どうしていいか、わからなかった
本当に、ありがとう!!
ケア後の連携と環境調整
この方の場合、靴の影響も大きいと判断しました。
関係職種との連携
- ケアマネジャーへ連絡し、外反母趾に対応できる靴への変更を提案
- 靴が当たっていた部位について、施設看護師へ情報共有
- 日々の観察を依頼
フットケアは、爪を整えて終わりではありません。
生活環境や支援者との連携が不可欠です。
なぜ、爪の問題は放置されやすいのか
この方は介護保険サービスを利用していました。
それでも、爪は長期間放置されていました。
放置されやすい理由
- 誰に依頼すればよいかわからない
- 危険そうで手が出せない
- 制度の中で対応が曖昧
しかし、爪の状態は
歩行・転倒・感染リスクに直結します。
後回しにできる問題ではありません。
訪問足ケアサービス「あしよし」ができること
訪問足ケアサービス「あしよし」では、以下の対応を行っています。
ご相談について
個人の方へ
足や爪のことで
「切れない」「痛みがある」「不安がある」
そんな時は、お気軽にご相談ください。
施設・企業の方へ
- 職員が対応に迷っている
- フットケア研修を検討している
- 現場症例をもとにした勉強会を行いたい
といったご相談も承っています。
最後に
この症例は、特別なものではありません。
同じような足は、さまざまな現場に存在します。
「危ないから触らない」ではなく、
どう見て、どう判断するか。
その視点を共有し、
足を守れる人を増やしていきたいと考えています。



現場のフットケアを、Instagramでも発信しています
このブログでは、判断の背景や考え方を文章でまとめています。
一方で、
・実際の爪の状態
・ケア前後の変化
・現場での工夫や道具選び
などは、Instagramのほうが伝わりやすい場面も多くあります。
Instagramでは、
「教科書では学びきれないフットケア」
「現場で迷ったときの考え方」
を、医療・介護職向けに発信しています。
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(アカウント名 ashiyoshi4616)


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