~認知症高齢者の女性。Aさんの足ケア~
認知症のAさんの分厚くなった爪
私の実家は群馬の明和町です。
実家の父から「爪のケアをやってほしい人がいるから、やってあげて」と連絡がありました。
Aさんは東京で娘さんと住んでおり、定期的に群馬の妹さんのところに来ています。
東京の娘さんからも「爪を切ってほしい」という依頼があり、群馬で爪を切りました。
Aさんの爪はとても厚く肥厚していました。
デイサービスを利用していますが、デイサービスでは爪切りは拒否しているそうです。
お風呂が嫌いです
Aさんは妹さんの家ではお風呂は入らないそうです。
妹さんがAさんをお風呂に入れるために毎回、口論。
妹さん
「お姉さん、お風呂に入りなさいよ」
Aさん
「いやだよ。そんなに言うなら帰る!」
そんな会話をしていても、すぐに穏やかなになるAさん。
「妹はよくしてくれるの」「妹のところに来ることだけが楽しみよ」
と話してくれました。
足ケアの前は入浴はできていません。
「私の爪は変なのよ」が口癖
Aさんの爪は肥厚し、踵の角化は分厚く茶色になっていました。
足の臭いも強く、皮脂も溜まった状態でした。
「私の爪は変なのよ」と何度も繰り返して言うAさん。
爪が変、と思っているAさんは
足ケアを拒否なく応じてくれます。
爪がきれいになったわね
肥厚爪を削り、爪溝をきれいにしました。
足の裏の角化した皮膚や汚れ、臭いは足浴で消えました。
最後に保湿液とクリーム、爪にはティクロンとセブンバリアオイルを塗って終了しました。
「あらぁ きれいになったわね」「爪を切ってくれたの?」
「私の爪は変なのよね」
爪も足もきれいになり、最後は「私の爪は変なの」と口癖が出ました
娘さんとは3ヶ月後に爪のケアのご予約をしました。
足専用のスキンケア用品は足の専門校 SCHOOl OF PEDY の製品を使っています
Aさんはケア中、話しかけると昔のお話をしてくれました。
(旦那さんとの出会いはどこでしたか?)
「高校の時の先輩なのよ。とても世話好きでね。部活も一緒で」
「夜間の高校に行っていたの。姉が勧めてくれて。行ってよかったわ」
*学生時代の旦那さんとの出会いや友人との出会いのお話をしました。
3ヶ月後、またお話しながら、足ケアをしますね!
Aさんの足ケアの手順
・コットンを湿らせて拭き取る
(足用角化軟化剤:スキンフローラプロ)
・ゾンデで、爪溝をなぞりながらアセスメント
爪と皮膚の境目の確認
・中目のビットで、後爪郭と側爪郭、爪溝の角化を削る
・爪甲をクリスマスツリーセラミックで10000回転で削る
・ダイアモンド中目で最終的にならします
・ゾンデで爪溝のカスを取り除き、ガーゼのついたフラットゾンデで拭き取りをする
Aさんの足浴
今回はシャボン足浴を行いました
*シャボン足浴とは
ビニール袋にボディソープをワンプッシュ入れて、ボディソープを薄めるくらいの少量の水(50~100mlくらい)を入れます。ビニール袋を手で掴み、少し空気を入れて、左右上下にふりまくります。すると、ソープが泡になります。その袋の外側に一枚、袋を入れます。足を泡状のソープの中に入れて、ビニールの上から足のゆび、足の裏を洗います。ビニールを足に擦るように外して、外側のビニール袋に足を入れて、少量のお湯で石鹸分を流して、タオルで拭き取りました。
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